Vision

地域に紡ぐ架け橋~思いやりと共に笑顔溢れる町田の創造~

社会は常に変化しつづけ先の見えないこんな時代だからこそ、我々一人ひとりが自らの価値、そして青年会議所の価値を改めて理解し、「思いやり」が連鎖する町田の創造が必要です。
青年会議所では多種多様な人財が集結し、「明るい豊かな社会」の実現に向けて邁進しています。その先には、町田が世代を超えて一つにつながる持続可能な未来へと進んでいくと確信しています。

理事長所信

【はじめに】

 日本における青年会議所の始まりは、1949 年戦争の傷跡がまちにも人々の心にも深く残る中、東京商工青年会議所(現在の公益社団法人東京青年会議所)が「新日本の再建は青年の責務である」という志を同じうする青年達によって築きあげられました。町田では 1967 年 11 月 2 日に日本で 373 番目に町田青年会議所が設立されました。設立趣旨書にある「郷土を愛するがための社会への奉仕」の精神を忘れることなく、「まちだのあるべき姿」による熱い情熱と弛まない努力があったからこそ今現在の町田青年会議所があります。
 我々は、なぜ青年会議所に入会をして活動を行っているのでしょうか。青年会議所にはどのような価値があり、どのような未来を求めて我々は日々青年会議所運動を展開しているのでしょうか。先の見えない時代だからこそ改めて自らに問いかける必要があります。
 2018 年に入会した私は、青年会議所が何か分からず、そして社会についても無知な私に多くの先輩諸兄姉が「思いやり」を持って接してくれました。そんな中、初めて出向した際、右も左もわからない私のために出向先のメンバーは「思いやり」をも って想いを語り合い、心と心が通じ合う瞬間を体験しました。これに限らず、青年会議所で多くの機会に接することで私自身のみならず周囲の人々に新たな価値を生み出すことができました。
 私は家族をはじめ自分を支えていてくれる人たちがいるからこそ、この先の未来を良くしたいと心から思うようになりました。そして地域を良くすることで仕事や仲間の未来がより良くなることにつながります。この共感を広げていく連鎖を生み出し町田の未来を切り拓く原動力となることこそが青年会議所の価値であり、我々が運動をする原点だと考えます。
 社会は常に変化しつづけ先の見えないこんな時代だからこそ、我々一人ひとりが自らの価値、そして青年会議所の価値を改めて理解し、「思いやり」が連鎖する町田の創造をして参ります。

【地域関係を構築した魅力あるまちづくりの創造】

 町田市は東京の最南端に位置し都心のベットタウンでありながらも商業が盛んなまちです。しかし昨今の町田市の現状では人口減少や少子高齢化が進んでおり、それに伴い生産年齢人口の低下が課題となっています。この課題に対し「まちだ未来づくりビジョン 2040」では市民や地域団体だけでなく、大学、事業者などの多様な主体と連携し、複雑化・多様化する地域課題の解決に向けて協力体制を強化することが求められています。
 しかし、地域のそれぞれ各団体では会の目的や立ち位置が違うため向かう先の方向性が多様化し協働していくことが難しい場合があります。これを解決するためには、現状の課題解決から考えて事業を展開するのではなく、あるべき姿から考えるバックキャスティングの思考を取り入れ、実現したい未来から考えることが重要とな ってきます。「理想の未来」を掲げ、共有することで違った価値観や目的を持った市民や各諸団体と協働することが可能となります。
 また、「誰一人取り残さない」を念頭に地域全体にシビックプライドの醸成をすることで町田に住み暮らす人たちと共に共創し、方向性を束ねることで地域におけるシナジーを最大限発揮していきます。今年度は地域の様々な団体や個人と共に、「まちだのあるべき姿」を共有すると共に、地域課題を解決することで誰もが参画したくなる事業を展開していきます。
 さらに、100 名を越える会員数を抱える青年会議所は全国的に見ても数%しかなく、今後大きな事業を展開する可能性を秘めた町田青年会議所においても、このまちのあるべき姿を具体的に思い描く必要があります。今年度は 2020 年に作成した中期ビジョンである町田 JC ビジョン 2030 をより具体的なものにアップデートし、 LOM の目指す方向性を示すことで、単年度で終わらない多様な団体や個人と連携した「価値創造型」社会の実現を目指します。

【大規模災害に備えた地域連携の防災】

 地球温暖化による自然災害は多発しており、災害はいつどこで発生するかわからない状況にあります。さらに、私たちが住み暮らす町田市においても、首都直下型地震が 30 年以内に 70%以上の確率で発生すると予想されています。災害発生時では「自助・共助・公助」が重要であり、町田に置き換えて考えると、水害や土砂災害などそれぞれの地域で抱える災害リスクの種類は異なります。万が一私達の地域が何らかの自然災害を被災した場合、行政でさえも機能が停止する可能性があることを鑑みると、地域での団体や個人での繋がりが重要なのはもちろんのこと、近隣都市と防災情報を共有して災害対策をしていく必要があります。
 町田青年会議所では、2015 年に町田市と「災害時における物資の供給及び輸送に関する協定」2021 年に町田市社会福祉協議会と「災害時相互協力協定」を締結しました。しかし、協定後に大規模災害に向けた会議や合同防災訓練は実施されておりません。防災では自助・共助が不可欠であり日頃から町田市や社会福祉協議会と地域防災について連携をすることで広い視野で市民に防災意識の醸成に努めることが大切です。防災は子供から大人まで、備えについて確認し合うことで地域全体の防災意識が構築され被害を最小限に防ぐことに繋がります。
 また、大規模災害が発生することを想定し、近隣都市と災害対策について迅速に対応できるように協議していかなくてはなりません。必ずくると想定した災害の対策に向けて地域と共に連携し、町田青年会議所が先導して地域の減災・防災に変化をもたらす運動を展開して参ります。

【環境に配慮した地域循環社会の実現】

 町田市における地域の課題は商業地である町田の中心市街地周辺だけではなく広い視野で町田市の課題を捉えていかなくてはなりません。町田は中心市街地から離れてみると、多摩丘陵の連なりと谷戸の織り成す表情豊かな地形に有し、谷地を流れる河川、樹林地、里山、農地などの原風景が多い豊かな自然環境に恵まれている地域でもあります。
 町田市「里山環境活用保全計画」では良好な環境を保全、回復及び創造すると共に環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会の実現を目指して推進しています。こうした中、環境施策を進めていくためには、市民や事業者といった多様な主体の参加や協力が不可欠です。また、里山の環境を町田の貴重な資産として活かしていくことが求められています。地域の資産・資源を最大限に活用し、持続可能なものとしていく施策を団体や企業など幅広い主体との連携・協働と資源の活用を推進し、里山における経済、社会、環境の新たな循環のローカル SDGs構築を目指していきます。
 そして、2021 年には町田青年会議所は町田市と「SDGs協働推進」に関する協定を締結しました。そして、2022 年より町田青年会議所は SDGsアワードを町田市と共催しております。行政はもちろんのこと、企業や地域諸団体と共に持続的発展が可能な循環型社会の実現に向き合っていかなくてはなりません。今年度はSDGsアワ ードを持続可能な町田市の循環型社会の実現に繋がるよう運動を展開して参ります。

【次世代の担い手を創出する青少年育成】

 町田青年会議所では長年わんぱく相撲や JC 杯などを開催するなどスポーツを通じて青少年育成を図り貢献して参りました。わんぱく相撲町田場所は 2024 年度に第40 回を迎えると共に、子供達に「勇気・礼節・感謝」を目的に勝つ喜び、負ける悔しさを経験するだけでなく、取組後に感謝の気持ちを持って礼をする事で勝ち負けに関係なく、互いを敬い思いやる心を育んでいきます。
 さらに、本年度は町田市内において 17 年ぶりにわんぱく相撲東京都大会を開催します。17 年前の第 19 回わんぱく東京都大会は現町田市役所がある場所にて本土俵と吊り屋根を設置し開催されました。歴史を引き継ぎ、出場者に大きな目標となる設えをすることでわんぱく相撲の価値をさらに高めてまいります。
 また、2020 年に文部科学省の学習指導要領が改定され「持続可能な開発のための教育」ESD(Education for Sustainable Development の略)の推進が始まっています。今後、日本でも社会問題が頻発していくことが予想されることから先行きの見えない問題に対し、持続可能な社会の実現に向けて「持続可能な社会の創り手」の育成に向けて大きな教育の転換期を迎えています。昨今の地球規模での環境の変化は数十年後を先読みすることができません。昨今の地球規模での環境変化において数十年後の先を見据えた課題に対し、個人で解決するのでなくこれから未来を担う青少年と共に取り組むことが重要です。我々が住んでいる地域課題を地域住民や地域の学校と協働して解決し、その運動が地域に伝わっていくことで地域から日本全土に波及させ、日本から地球規模へ問題が改善していくことに繋がる運動を展開していきます。

【行動力を育む人財育成】

 町田青年会議所は、よりよいまちであり続けるために会員が真剣に議論をし、町田の未来のために運動を展開しています。組織力を強化していくうえでの拡大運動もここ数年の成果が実り町田青年会議所には多数の入会者が加わりました。しかし、在籍メンバーの 7 割以上が入会 3 年未満の状況下において、どのように青年会議所の意義を理解し、組織力を最大限発揮させていくか課題となっています。そのためには、青年会議所の理念や魅力を明確にし、メンバー一人ひとりが能動的に課題解決に向けて行動できる人財育成を創出する必要があります。
 また、百聞は一見に如かずと言われるように何度も人に聞くより実際に自分で実践して体験することで大きく視点が変わります。そのためには、今年度は研修においてはセミナーだけには偏らず、地域課題の解決をベースとした事業構築を実体験できる研修事業を行っていきます。実体験を得ることは青年会議所の意義や価値を知ることになり、組織力の強化につながります。地域の課題に向けて能動的に行動できる人財育成をし、町田の未来を創り出す一歩となる運動を展開して参ります。

【組織の信頼が信用を生む】

 町田青年会議所が地域のためにインパクトを残すためには円滑な組織運営は必須条件であると共に組織の根幹となります。町田青年会議所がこれまで地域から信頼され存続してきたのは盤石な組織運営があったためです。
 現在の町田青年会議所の会議は対面と随時リモートによるもので組織運営をしていますが、リモートはどこにいても会議ができる便利な反面、コミュニケーションの量の不足、それによる情報共有の低下は課題となっています。今年度はこの問題に対して、会議は可能な限り対面で実施し、密なコミュニケーションを起点とした運営を行って参ります。
 また、町田青年会議所が地域に信頼される強い組織になっていくためには地域によりよい事業を行っていくことが大前提となります。青年会議所では、よりよい事業を構築するために議案書を作成し、それに基づいて議論を行います。また、会議においては遵守するべきルールを守り適切に事業や会費について運営されているか議論することで運動を最大限に高めています。この厳正な会議を取りまとめるためには会の取りまとめ役となる屋台骨が必要です。これらを踏まえると、議案の取りまとめだけではなく組織内の横の繋がりを重要視し、連携を深めていくことに努めていかなくてはなりません。また、町田では新しく導入するアジェンダシステムの運用をすることでペーパーレス化やデジタル化の推進をしていきます。
 組織の中の動きを「見える化」することが情報発信であり、密な情報共有がされるよう組織の環境を整えることで組織は活性化し、メンバーの参加率が増えることが期待できます。社会により大きなインパクトを与えることができるよう組織力を強化していきます。

【魅力が伝わる持続可能な拡大運動】

 青年会議所は 40 歳になると正会員が卒業を迎える組織となります。毎年継続的な拡大を行わないと会員数が減少し、事業が縮小され、結果的にはまちに起こせるインパクトは小さくなってしまいます。JCI MISSION では「青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」とあります。青年会議所では多くの機会が溢れており、自身の器を大きくし、成長することができます。我々は青年という発展途上の人財であり、青年会議所で学ぶ人財を増やすことで、卒業した後に地域で変革を起こすリーダーを輩出し続けることができます。そして、設立から唯一途絶えることなく継続しているのは拡大運動であり、青年会議所では新たな力を絶えず取り入れているからこそ発展し続ける団体であります。この拡大運動こそが青年会議所の原点であり、運動の根幹といえることでしょう。
 その上で拡大運動を推進するためには、青年会議所の魅力を伝えなければ相手には興味を持ってもらうことはできません。そのためにはそれぞれの会員が魅力を伝え、発信できる状態にすることが必要です。現在、全国的に拡大は苦戦を強いられていますが、町田青年会議所では 2022 年度に拡大日本一になった実績があります。このプライドを忘れることなく会員一人ひとりが拡大に対しての主体者意識を持ち持続可能な「全員拡大」をして参ります。

【魅力を伝える情報発信】

 インターネットの普及により、人々が日常的に触れる情報の量は爆発的に増加しました。デジタル化が進んだことで、新たなステークホルダーとの接点が増加してきた現在では、広報は状況に応じて届ける情報の切り口を変えるなど、柔軟に対応する必要があります。町田青年会議所がどれだけ良い事業を開催しても周知できなければ意味がありません。そのためには、外の方々に参加したいと思うような広報を人任せではなく、担当となる当事者が外に発信することで自らが主体性を持ち、積極的に青年会議所の価値や魅力を伝える情報発信をしてきます。

【友情は国境を超える】

 青年会議所の掲げる 4 つの機会のなかで「国際の機会」があります。町田青年会議所において、ASPAC や世界会議の出席が国際の機会とされていますが、先人たちの町田青年会議所に国際の機会を創出するという熱い情熱により、2017 年神岡青年商會と姉妹締結をしてから本年で 7 年目を迎えました。2020 年頃から始まったコロナ禍では入国制限措置により渡航ができなかったこともあり、オンラインで親交を深めてきました。新型コロナウイルスの感染拡大によって、町田市内のマスクが不足した際には、15,000 枚ものマスクの寄付をいただき、町田市に寄付をさせていただきました。神岡青年商會からマスクの寄付をいただいたことは忘れません。友情は国境を超えます。今年も姉妹交流を親密に深めるように進めて参ります。

【新たな出逢いが己を磨く】

 出向とは東京ブロック協議会、関東地区協議会、日本青年会議所とエリアが分けられ各地青年会議所が集うことで構築されている組織です。全国から地域を背負った志高い仲間たちとの交流は事業を通して運動することにより新しい視点をもたらし成長の機会となります。出向とは青年会議所の運動を最大化にする人財育成プログラムです。出向の価値を知り、1 人でも多くのメンバーが機会を掴めるようにして参ります。
 また、日本青年会議所、関東地区協議会、東京ブロック協議会では各種大会が運営されています。それらは、地域を支援する運動であり、広く発信するため全国各地で開催しています。各種大会では地域を好循環にするセミナーなどを開催しており町田青年会議所としても多くの会員に周知し、巻き込むことで共に学べる機会を提供して参ります。

【結び】

 青年会議所はなぜ57年も続く組織でいられるのでしょうか。それは青年会議所に入会することで新たな機会を与えられ、成長という学びを得られたからこそ町田がよりよい未来に繋がっているからです。青年会議所では多種多様な人財が集結し、「明るい豊かな社会」の実現に向けて邁進しています。この経験こそが未だ知らない自分に出逢えるきっかけとなり、そのきっかけこそが未来を切り拓く自信に変わることになるでしょう。また、青年会議所では多種多様な人脈と知り合うことができます。この組織に入会しなければ出会わなかったであろう仲間づくりができます。この仲間は互いに「思いやり」を持ち、共に切磋琢磨して連携していくことで一生涯の仲間となります。そして、この仲間だけではなく、地域にも「思いやり」を持って接することで、その想いはまちに波及していきます。この「思いやり」を持った行動こそが地域を紡ぐ架け橋となり町田が心から笑顔に変わる瞬間となるでしょう。その先には、町田が世代を超えて一つにつながる持続可能な未来へと進んでいくと確信しています。

【基本理念】
価値創造型に向けた持続可能な社会の実現

【基本方針】
・ 組織の信頼が信用を生む(総務)
・ 地域関係を構築したまちづくりの創造(まちづくり創造)
・ 大規模災害に備えた地域連携の防災(地域連携防災)
・ わんぱく相撲と都大会 ESD 推進に向けた青少年育成(青少年育成)
・ 環境に配慮した地域循環社会の実現(地域循環共生)
・ 行動力を育む人財育成(研修)
・ 魅力が伝わる持続可能な拡大運動(拡大)

【スローガン】
地域に紡ぐ架け橋~思いやりと共に笑顔溢れる町田の創造~

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